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客観証拠の重要性増す 広島の放火殺人無罪判決
 広島市西区の放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた被告を無罪とした28日の広島地裁判決は、自白に頼った捜査手法の是非が改めて問われる結果となった。
 逮捕は事件発生から5年余り経た後で、直接証拠が乏しかった検察側は、公判で状況証拠の積み上げによる間接立証を迫られた。殺害された母親の遺体の状況や被告から事件への関与を聞かされたとする親族の証言、被告に多額の借金があったことなど、傍証を列挙。犯人性を浮き彫りにして“外堀”を埋めた上で、立証の決め手となるのが捜査段階の自白調書のはずだった。
 しかし、被告人質問や取り調べを担当した捜査員の証人尋問などで、捜査員が「過去から逃げるな」「逃げている人間は卑怯じゃないか」などと、自白するよう迫っていった状況が明らかにされ、この日の判決では根幹となる自白調書の信用性に疑問が示された。
 長く「証拠の王」とされてきた自白だが、近年は被告12人全員の無罪が確定した鹿児島の選挙違反事件や富山の冤罪事件など、虚偽自白が問題となる事例が相次いでいる。裁判員制度の導入を控え、捜査当局にはより客観証拠を重視する姿勢が求められているといえよう。
(清宮真一)

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